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ペーパーレス化とは?メリットやペーパーレス化の手順


2024.07.02

時代が目まぐるしく変化するとともに、社会や消費者のニーズも著しいスピードで変わってきています。企業はそれらに適切に対応しなければ、やがて淘汰されてしまうでしょう。対応の仕方は業種や職種によりさまざまですが、多くの企業にとってペーパーレス化は避けては通れません。

本記事では、ペーパーレス化とは何かを解説し、あわせて、ペーパーレス化のメリットや事例、手順などを紹介します。

ペーパーレス化とは?

ペーパーレス化とは、企業内で使用している書類や文書などの紙媒体を、デジタル化などによりデータ化することや、そのための取り組みを指します。書類や資料の電子化といった表現も、同様の意味合いで用いられることが多いでしょう。ペーパーレス化には、もともと手元にある紙媒体の書類をスキャナなどで取り込みデータ化する方法や、領収書や契約書などをデータでやりとりする方法などがあります。企業や部署、書類や取引先などに合わせた方法を取り入れるのがポイントです。ペーパーレス化が可能な書類や文書には、ほかにも会議資料やパンフレット、カタログやチラシといった販促物などさまざまなものがあります。

ペーパーレス化への課題

企業内でペーパーレス化を推し進めるには、ソフトやシステムの導入費用がかかります。コストを上回る効果が期待されるペーパーレス化ですが、初期費用がひとつの課題となっている点は否定できません。そうしたシステムに不慣れな従業員が多い企業でも、ペーパーレス化は進みづらいでしょう。ITリテラシーの低さはシステム障害などペーパーレス化のリスクへの不安を増大させ、結果的にペーパーレス化へと踏み切れないといったケースも多々あります。

ペーパーレス化をするメリット

ペーパーレス化には課題もありますが、導入後は多くの企業が効果を実感できるでしょう。ここでは、ペーパーレス化を推し進めることで得られるメリットを紹介します。

コストの削減

ペーパーレス化により、印刷にかかるコストの削減が可能です。コピーやプリントアウトには、紙やインク、電気代などがかかります。ペーパーレス化が進めば、これらのほかにコピー機や重要書類を処分する際のシュレッダーの台数なども削減できるでしょう。紙媒体でのやり取りや保存などにかかるコストも大幅に削減できます。配送や郵送の費用とともに、それらに伴う時間的コストの削減も可能です。書類を保存しておくためのファイルや棚なども減らせます。

業務の効率化や生産性の向上

ペーパーレス化により、書類や文書の検索や閲覧がしやすくなるメリットもあります。書類などのスムーズな受け渡しや共有も、業務の効率化や生産性の向上に寄与するでしょう。取引先などがすでにペーパーレス化されている場合は、さらに書類のやり取りなどの効率化が図れます。

セキュリティの強化

ペーパーレス化により書類や文書はデータ化されているため、物理的な盗難や置き忘れなどの被害を防止できます。データ化しても機密情報が外部へと漏れるリスクはゼロではありません。しかし、そうしたケースでも多くの情報は手元に残ることが多く、また、閲覧者やシステムへの侵入者などの特定が、少なくとも紙媒体と比べるとしやすいといえます。データ化された書類それぞれに閲覧制限をかけたり編集の過程や日時を記録したりすることも可能です。こうした点から、大幅にセキュリティの強化へとつなげられるでしょう。

多様な働き方の実現

ペーパーレス化によって社員同士や取引先との紙媒体のやり取りが減ると、リモートワークなどが取り入れやすくなります。データ化された書類の閲覧ややり取りは、修正や訂正、承認などの作業も含め、オンライン上で可能なためです。これらの作業のためにオフィスへと出勤する必要がなくなれば、働く場所や時間も基本的には制限されません。フレックスタイム制やワーケーションなども導入しやすくなり、多様な働き方を実現できるでしょう。

企業やブランドのイメージの向上

ペーパーレス化は、環境問題を意識した取り組みともいえます。また、時代やニーズの移り変わりに積極的に対応する企業といった評価も得られやすくなるでしょう。これらのことから、企業やブランドのイメージの向上効果が狙えます。具体的な取り組みや効果を企業のWebサイトなどで公表し、よりイメージの向上を図ることも可能です。

人手不足の解消

ペーパーレス化を可能とするソフトやシステムの導入により、これまで人の手で行っていた作業を削減しやすくなります。特に、経理業務をはじめとした会計処理の人手やコストの削減が可能です。また、ペーパーレス化により企業やブランドのイメージが向上し、多様な働き方も実現されれば、離職率の低下といった効果も得られるでしょう。新たに働きたいと考える優秀な人材の確保もしやすくなり、人手不足とともに企業のさらなる成長も見込めます。

ペーパーレス化の事例

ペーパーレス化は、業種や規模を問わずさまざまな企業で進められています。ここでは、積極的にペーパーレス化を取り入れている企業と取り組み事例を紹介しましょう。

株式会社コロナ

空調や家電の機器を取り扱う株式会社コロナでは、申請書類のペーパーレス化を推し進めています。2017年から始められたペーパーレス化により、40以上の申請業務において紙媒体の使用をやめ電子化しました。結果、年間で5万枚ほどの帳票の削減に成功しています。その後、さらにペーパーレス化を推し進め、年間で8万枚もの帳票の削減効果を生み出しました。同社では、申請業務以外にもデジタル化を進めています。

参考:株式会社コロナのワークフローシステム導入事例

京急不動産株式会社

京急不動産株式会社は、ペーパーレス化により経費精算業務の時間短縮に成功しています。結果、経理の残業時間が減少し、そのほかの業務のための時間確保が可能となりました。企業全体では、経理業務にかかる時間を月に200時間以上も削減しています。慢性的な残業体質となっていた組織の改善にペーパーレス化が寄与した事例といえるでしょう。

参考:TOKIUM 月に213時間の削減効果。

ペーパーレス化を始める手順

ペーパーレス化を始めるには、まずは準備から取り掛からなければいけません。思いつきで始められる取り組みではない点は注意しておきましょう。ここでは、ペーパーレス化を始める主な手順について紹介します。

1.課題や目的を明確にする

自社の抱える課題を、まずは明確化します。同時に、ペーパーレス化の目的も定めておきましょう。コストカットや残業時間の削減、働き方の多様化など、企業によって目的は異なります。しっかりと整理し、最初の段階で課題や目的を明確にしておくことがポイントです。

2.対象の書類や部署を決定する

最初からすべての書類をペーパーレス化し、それをすべての部署で取り入れるのは難しいでしょう。会議書類や請求書、領収書など、可能な書類から始めるのがポイントとなります。同じ企業内でもペーパーレス化がしやすい部署と、そうではないところがあるため、現場の声も聞きながら、最初は限定的に行うとよいでしょう。

3.ソフトやシステムを導入する

ペーパーレス化に必要なソフトやシステムを選定し、導入します。課題や目的、対象範囲などによって選択するソフトは変わってくるでしょう。自社に合ったものを導入するのがポイントです。

4.意義や方法を社内へと周知する

経営層など一部の人たちだけでペーパーレス化を進めるのは危険です。働く人たちにペーパーレス化の意義や具体的な方法を伝え、段階的に進めていく必要があります。必要に応じて研修などを行い、システムの扱い方や管理方法などの習得も促さなければいけません。

5.実行する

実際に、ペーパーレス化を進めていきます。効果測定も行い、新たな課題が見つかったら随時対応していきましょう。段階的に対象の書類や部署を拡大していきます。徐々にペーパーレス化を広げていくことで、やがて大きな恩恵を享受できる状態となるでしょう。

ペーパーレス化に便利なソフト

ペーパーレス化の実現には、会計ソフトや経理システムが不可欠です。ここでは、ペーパーレス化に役立つソフトを2つ紹介します。

WEBバランスマン

「WEBバランスマン」は、公益法人のための会計ソフトです。伺書入力機能が標準装備されており、決算書作成もしやすく、予算管理機能も備わっています。オプション機能の追加により、これまで紙でやり取りしていた請求書などの書類の電子化が可能です。電子決済機能の活用によって、さらにペーパーレス化を推し進められるでしょう。細かな権限設定が可能で、ペーパーレス化の課題の一つであるセキュリティ面に関しても安心して導入できます。

マネーフォワードクラウド

「マネーフォワードクラウド」は、会計や人事管理、契約関連業務から社会保険手続きまで、さまざまな業務を連携・自動化できるサービスです。多くの書類や文書のデータ化が可能なため、導入によりペーパーレス化も大幅に進められるでしょう。データの保存などはクラウド上で行うため、重要書類を紛失してしまう心配もありません。マネーフォワードクラウドの複数のサービスの併用により、ペーパーレス化とともに業務の効率化も図れます。

ペーパーレス化についてまとめ

企業内で使用している書類や文書などをデータ化するペーパーレス化は、コストの削減や業務の効率化などさまざまなメリットをもたらします。実際に取り入れ、残業時間の削減などの効果が出ている企業も少なくありません。ペーパーレス化を始めるには、自社の課題や目的を明確にし、それらに合ったソフトやシステムを導入する必要があります。そのうえで、現場の声も取り入れながら、段階的に進めていくとよいでしょう。