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公益法人の設立手順を解説!申請にかかる費用や期間も紹介


2024.10.01

公益法人を設立する際は、一般的な法人と異なる部分があります。そのため、設立に必要な手順を正確に把握することが大切です。本記事では、公益法人の設立要件や一般的な法人との違いなどを解説します。設立の費用や期間なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

公益法人設立の要件とは

公益法人を設立するためには、基本方針を明確にし、必要な書類を整えたうえで関係機関に申請を行う必要があります。具体的な手順を解説しますので、参考にしてください。

1:基本方針の策定

公益法人を設立する際は、はじめに基本方針を策定してください。この基本方針は、法人がどのような公益目的を持ち、どのような活動を行うのかを明確にするものです。公益性の高い活動を行うことが求められ、その活動が社会にどのように貢献するのかを具体的に示す必要があります。

基本方針を策定すれば、法人の方向性が定まり、関係者の理解と協力を得やすくなります。基本方針は法人のミッションやビジョンを反映する内容にし、長期的な視点で活動計画を含むことが望ましいでしょう。

2:定款の作成

次に法人の基本的なルールを定める定款を作成します。定款には法人の名称、目的、所在地、役員の構成、運営方法などを記載してください。定款は法人の憲法ともいえる重要な文書であり、法律に基づいて適切に作成されなければなりません。具体的には公益法人としての活動内容や方針が明確に記載されていることが求められます。法律の専門家のアドバイスを受けつつ作成しましょう。

3:設立総会の開催

定款を作成したら設立総会を開催してください。設立総会では、定款の承認や役員を選任します。設立総会は法人の設立において大事なステップであり、ここでの決定事項が法人の今後の運営に大きく影響します。参加者全員の合意を得るために、事前に十分な準備と説明が必要です。十分な準備や説明をもとに、参加者から法人の目的や活動内容を理解してもらうことが大事です。

4:法人登記の申請

設立総会が終了したら、法人登記の申請です。法人登記は法人が法的に認められるための手続きであり、法務局に必要な書類を提出します。登記が完了することで、法人は正式に設立され、法律上の権利と義務を持つことになります。登記の際には、定款や設立総会の議事録などが必要です。

5:認可申請

法人登記後は、公益法人としての認可を得るために所管庁に申請が必要です。公益法人として認められるためには、第三者委員会による公益性の審査を受ける必要があります。この審査では、法人の活動が公益目的に適合しているか、またその運営が適切であるかが判断されます。

認可を受けることで、税制上の優遇措置を受けることができて活動の幅が広がるわけです。認可申請は、法人が社会的に認められるための重要なプロセスであり、慎重な準備と対応が求められます。

公益法人設立にかかる費用と期間

公益法人を設立する際にに費用として公証役場での定款認証手数料が5万円、法務局での登録免許税が6万円、合計で11万円が基本的な費用です。これらの費用は、法人設立を行う際に必ず必要となるものです。

さらに、専門家に手続きを依頼する場合は、司法書士や行政書士の報酬がかかります。専門家への依頼費用は、依頼内容や依頼先によって異なりますが、総額で数十万円程度になることが一般的です。なお、登記自体のみなら設立期間はおおむね2週間程度です。

第一段階:公益目的ごとの計算

公益法人を設立する際には、公益目的ごとの収支を計算する必要があります。これは法人の活動が公益性を持つことを証明するために重要です。収支の計算は、各公益目的事業に関連する収益と費用を明確にすることから始まります。収益と費用を明確にすると、法人が公益目的に沿った活動を行っているかどうかを判断できます。

第二段階:利益の繰り入れの計算

次に収益事業から得た利益を公益目的事業にどの程度繰り入れるかを計算します。一般的には、収益の50%を公益目的事業に繰り入れることが求められますが、50%を超える場合には、さらに詳細な計算が必要です。この計算は、法人の財務状況を健全に保つために必要なものになります。また、利益の繰り入れが適切に行われることで、法人の公益性が維持されます。

こうした複雑な会計処理を簡単に行えるツールとして、「WEBバランスマン」という会計ソフトを活用しましょう。会計ソフトを使用することで、公益法人の会計基準に基づいた計算がスムーズに行えます。特に公益目的事業の収支計算や利益の繰り入れ計算が簡単にできるため、法人の運営に役立つでしょう。

公益法人と一般法人における3つの違い

公益法人と一般法人は、社会における役割や運営の仕方が異なります。特に事業性、税制優遇、寄附税制の面で大きな違いがあります。これらの違いを確認して、法人設立や運営に活かしてください。

①事業性

公益法人の事業性は、公益性の高い活動を行うことに重点があります。具体的には、社会全体の利益を追求する活動が求められます。このため、公益法人の活動は、教育、文化、福祉などの分野で行われることが多いです。

さらに、公益法人はその活動内容が社会のニーズに応えるものであるかどうかが重要視されます。活動の透明性や説明責任も、公益法人の信頼性を高めるために必要です。これに対し、一般法人は営利目的の活動を行うことが主な目的です。一般法人は、利益を追求し、株主や社員に利益を還元することが目的となります。

②税制優遇

公益法人には税制上の優遇措置として、法人税や固定資産税の減免が受けられる場合があります。税制面での優遇があることで、活動資金の効率的な活用が可能です。公益法人の税制優遇は、公益性の高い活動を支援するための措置です。

そのため、公益法人として認定されるためには、厳しい基準を満たす必要があります。一方、一般法人にはこのような優遇措置はありません。一般法人は、通常の法人税が課され、税負担が大きくなることがあります。税制優遇は、公益法人が持続可能な活動を行うための重要な基盤となります。

③寄附税制

公益法人は、寄附金に関する税制上の優遇措置を受けることが可能です。具体的には、寄附を行った個人や法人が税額控除を受けられる場合があります。その結果、寄附者の負担が軽減され、公益法人への寄附が促進されます。

寄附税制の優遇措置は公益法人の活動を支えるための重要な要素となっており、寄附を受けることでより多くの公益活動の展開が可能です。また、寄附者との信頼関係を築くことが、公益法人の活動の幅を広げるポイントになります。一方、一般法人への寄附には、こうした税制上の優遇措置はありません。

公益法人設立によくある質問

公益法人の設立を検討する際には、いくつかの基本的な疑問が浮かぶことがあります。公益法人設立でよくある質問を2つ紹介しますので、回答を確認しましょう。

公益法人のメリットとは?

公益法人の最大のメリットは、公益性の高い活動を通じて社会貢献ができることです。具体的には、税制上の優遇措置を受けられるため、活動資金を効率的に活用することが可能です。また、公益法人として認定されることで、社会的信用が高まり、寄附や支援を受けやすくなります。

これにより、法人の活動が広がり、より多くの人々に貢献することもできるでしょう。さらに、公益法人は特定の公益目的に沿った活動を行うため、社会的な意義が大きく、関係者の理解と協力を得やすいという側面があります。

公益法人は民間企業か?

公益法人は民間企業に分類されますが、営利目的ではない企業です。営利企業とは異なり、利益を追求するのではなく、公益性の高い活動を行うことを目的としています。そのため、法人の収益は、公益目的事業に再投資されることが求められます。

公益法人は主に教育、文化、福祉などの分野で活動し、社会全体の利益を追求するケースがほとんどです。教育や文化、福祉分野の法人であることから、法人の運営は透明性と説明責任が重視されます。

公益法人の設立に関するまとめ

公益法人の設立には、基本方針の策定や定款の作成、設立総会の開催、法人登記、認可申請などの手続きが必要です。また、公益法人は税制優遇や寄附税制の恩恵によって、活動資金を効率的に活用できます。その分、利益や費用などを正確に計算して透明性を高める必要があります。

そのような会計業務においては、WEBバランスマンのような会計ソフトを活用することで、複雑な処理を効率的に行うことが可能です。結果的に法人の財務管理がスムーズになり、公益活動に専念できる環境が整うでしょう。しっかりとした準備と計画を通じて、公益法人の設立に取り組んでください。