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freeeは電子帳簿保存法に対応している?


2023.12.28

これまで何度も改正を重ねてきた電子帳簿保存法は、2024年1月1日より電子データの保存方法について大きな変更点が発生します。その一方で「結局よくわからない。まだ対応できていない」といった状態のままの法人・個人事業主も珍しくはありません。

今回は、具体的な法律の内容を踏まえつつ、会計ソフト「freee」がそれらに対応しているのかどうかを解説します。

freeeは電子帳簿保存法に対応している?

会計ソフト「freee」を利用している人や利用を検討している人は、電子帳簿保存法に対応しているかどうか不安に思うかもしれません。以下では、電子帳簿保存法の概要とfreeeの対応状況について解説します。

そもそも電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法とは、税金に関する書類や帳簿を、電子データとして保存しておくことについて定めた法律です。パソコンのような電子機器が広く使用され始めた1998年に制定され、以降デジタル化の進歩に沿って都度改正され続けています。

制定当初は「電子データの帳簿類は、紙に印刷せず電子データのままで保存することを認める」といった方針でしたが、法律が改正され2024年1月1日から「電子データの帳簿類は、電子データとして適切に保存し、紙に印刷して保存することを認めない」という形式に変化しているのです。

このような遍歴をたどった理由としては、昨今のデジタルツールの普及率の変化にあります。当初はパソコンを用いた電子データでやりとりする企業は少数派であり、また技術的にも「電子データは改ざんされてしまう恐れがある」といった懸念があったために「条件を満たせば電子データをそのまま保存しても良い」としていました。ところが、パソコンやインターネットが普及するにつれ、領収書や請求書などをパソコンで作成し、それをインターネットを介して相手に送る、という流れが一般的なものになりました。

その中で、わざわざ電子データを印刷してファイリングするという既存の手順では無駄が多いため、経理作業の負担軽減、紙資源を無駄にしないペーパーレス化の推進などを目的として、電子帳簿保存法が改正されました。しかし、これまで帳簿類を印刷して管理・保存をしていた企業にとっては、経理の運用を変える必要があったため、少なからぬインパクトを与えているのです。

freeeは電子帳簿保存法に対応している?

クラウド会計ソフトとして国内トップクラスのシェアを持つ「freee」は、この電子帳簿保存法にも対応済みです。「freee」は個人事業主から法人企業までを対象に、様々な会計上のニーズや、企業の規模に応じたプランを選ぶことができます。そのうえで追加料金等を必要とせず、電子帳簿保存法にのっとった会計処理が可能となっています。

freeeの電子帳簿保存法のメリット・デメリット

では、これから電子帳簿保存法に対応した会計を行おうとした場合、本当にfreeeが適しているのでしょうか。具体的なメリット・デメリットを下記で紹介します。

freeeを利用するメリット

freeeは「基本的に電子帳簿保存法で求められる、全てに対応できる」という大きなメリットが挙げられます。例えば、法人・個人事業主の全員に求められる「電子取引データの保存」は、ただデータをパソコンの中に保存しておけば良いのではなく、改ざんができない状態にして、必要に応じて参照・ダウンロードができるように整えておく必要があります。

また、紙媒体と同じように法人は基本7年(最長10年)、個人事業主は原則5年(最長7年)にわたって帳簿書類を保存しておかねばなりません。つまり、「会計データを保存していたHDDが壊れてしまった」といったトラブルに備えた対策が必要なのです。

freeeはこのような様々な懸念やトラブルにも備えられる包括的なサービスを提供していますので、「対応したつもりが、できていない部分があった」といった問題が発生するリスクは非常に低くなるでしょう。

また、法律に対応するだけでなく、請求書や紙の領収書類をスキャンしたデータ類もfreeeで一元管理できるため、業務効率の改善も期待できます。更に、経理などに詳しくない従業員でも、スマートフォンなど使いやすいデバイスでの簡単に入力ができるため、作業負担を軽減することが可能です。

freeeを利用するデメリット

前述の通り、freeeは「導入すれば電子帳簿保存法に反することなく、全ての会計について対応できる」というメリットがありますが、「既に別の会計ソフトやシステムを導入しており、費用などの面から、他の会計ソフトに乗り換える予定はない」という場合には利用がしづらいというデメリットにも繋がります。

なぜならばfreeeの場合、一定期間のお試し利用こそ可能ですが、無料プランはありません。このため、本格的に導入する場合は、別のソフトからfreeeに乗り換えるかどうか検討することになります。

ただ、そのような場合は、freeeの提供するサービスの一つである「freee経理」の利用を検討してみると良いでしょう。この「freee経理」は「freee会計」の機能から会計機能を廃したもので、電子帳簿保存法やインボイス制度に対応した機能のみを提供し、それ以外は他社の会計ソフトと連携させることができるサービスです。更に、「freee会計」よりも「freee経理」の方が月額利用料を低く抑えることができるため、コストを抑えて電子帳簿保存法に対応することができるでしょう。

freeeに似た電子帳簿保存法に対応している会計ソフト

「freee」は非常に優秀なソフトですが、それ以外にも電子帳簿保存法に対応した会計ソフトが多数あります。今回は、そのうち二つにしぼって紹介します。

価格を安く抑えたいなら「マネーフォワード クラウド」

freeeに似ているソフトとして挙げられるのが、同じく国内トップシェアを誇る「マネーフォワード」です。こちらも「freee会計」と同様に、電子データを一括して保存・管理できる機能が備わっているため、このサービスを導入するだけで一元管理が可能になるでしょう。

一方、freeeとの大きな違いとしては、「マネーフォワードの方が、ランニングコストが低く抑えられる」という点が挙げられます。更に、給与計算・勤怠管理などの事務処理関連の機能について、追加料金なしで利用できるため、コストを抑えたい少人数の企業や個人事業主などにとって大きなメリットがあると言えるでしょう。

ただし、多機能である分、freeeの方がシンプルで分かりやすいという評価されることもあります。また、会計の知識が全くない従業員にとっては機能が多くて操作が難しく感じられて、作業にかかる時間が増えてしまう、あるいはミスを誘発してしまうかもしれません。このため、コスト面を最優先とするのか、会計処理業務を優先するのか、といった観点からどちらを導入するか検討すると良いでしょう。

公益法人の場合は「会計システム」

一般的な企業とは決算書のルールなどが異なる公益法人の場合は、専用のソフトウェアの導入がおすすめです。公益情報システム株式会社の「会計システム」はそういった特殊な会計処理に特化しているだけでなく、電子保存機能や決裁機能をオプションで提供しています。

伝票と請求書などの関連データを紐づけることができるため、電子帳簿保存法に対応しながら業務効率を向上させられることでしょう。

freeeは電子帳簿保存法に対応しているかどうかに関するまとめ

「freee」はトップクラスの国内シェアを誇る会計ソフトであり、電子帳簿保存法にも素早く対応したソフトとして評価されています。今後、電子帳簿保存法が更に改正した際、サービスをアップデートして対応することが期待できるでしょう。

このため、これから一からソフトを導入するような場合は「freee会計」を、既存の別会社の会計ソフトと連動させたいのであれば「freee経理」の導入を検討することがおすすめです。