パソコンで作成した書類の承認作業には電子承認システムが便利です。業務プロセスの効率化やワークフロー改善の期待もできるため、多くの企業が電子承認システムの導入をすすめています。しかし、導入しようにもどれを選ぶべきか迷っている方もいるでしょう。
今回はおすすめの電子承認システムを4つ選んで紹介します。また、電子承認システムの選び方についても触れているので、ぜひ参考にしてください。
電子文書に署名や押印ができる?「電子承認システム」とは?
2005年4月に施行された通称「e-文書法(民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律、および、民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律)」によって、多くの文書の電子保存が法律上認められるようになりました。
これによって注目を集めることになったシステムが「電子承認システム」です。電子承認システムとは、電子文書に対しての承認作業を電子化させるために、電子署名・電子サイン・電子印鑑などの技術をパッケージしたシステムのことを指します。電子承認システムができる前には、パソコンで作られた電子文書であっても、紙面にプリントアウトしてから、署名や押印といった承認作業をしなければなりませんでした。ですが、電子承認システムを用いれば、パソコンや電子端末上であっても、あたかも紙の書類に印鑑を押したり署名するかのような承認作業が可能になります。
電子承認システムの選び方は?チェックすべき3つのポイント
電子承認システムを導入する際には、なんとなくソフトウエアやサービスを選ぶのではなく、自社での運用を想定して精査することが大切です。その際には以下の3つのポイントをチェックして選ぶとよいでしょう。
必要な機能がそろっているか
どれだけ優れた電子承認システムであっても、自社で行う申請や承認手続きに必要な機能が使えないのであれば、意味がありません。電子承認システムを導入する際には、システムやソフトウエアに、ほしい機能が十分に備わっていることをチェックしてください。機能を十分にチェックしないままにシステムを導入すると、社内のワークフローが混乱するおそれがあります。
無料の試用期間があるならば、試してみるとよいでしょう。一般的に電子承認システムで求められる機能には、経路分岐機能・入力内容の自動制御・申請修正機能・経費精算機能・自動仕分けなどがあります。また、スマートフォンアプリとの連携や多言語対応であるかどうかも調べておくとよいでしょう。
コストパフォーマンス
コストパフォーマンスは高いに越したことはありません。しかし、電子承認システムは一般的に中長期に渡って利用するため、利用料金だけで検討すると失敗してしまうことがあります。ユーザーごとの月額料金だけでなく、初期費用・月額固定量・サポート費用も検討してください。
システムの使いやすさ
中長期で用いるシステムは使いやすさが重要です。使いにくいシステムは、ストレスとなるだけでなく、作業効率の低下やミスの発生の原因となるからです。使いやすさの確認では「UIがわかりやすい」「動作が軽快」「直感的な操作が可能」といった点に着目するとよいでしょう。しかし、これらは実際にシステムを使ってみないとわかりません。無料試用期間があるならば試してみるとよいでしょう。なるべく多くのシステムに触れることをおすすめします。
おすすめの電子承認システム4選
以下ではおすすめの電子承認システムを4種類紹介します。なお、料金についてはすべて税込み価格で記しています。
中小企業向けワークフローシステム「ジョブカンワークフロー」
「ジョブカンワークフロー」は、2023年の時点で、シリーズ累計の導入実績が20万社を超える人気のシステムです。システム導入によって承認にかかる時間を約3分の1に短縮できます。ジョブカンワークフローの魅力はなんといってもその使いやすさ。わかりやすく直感的な操作を意識して作られたUIなので、初期設定から申請書作成まで簡単に作業が進められます。スマートフォンにも対応しているので、外出先から申請・承認を受けることも可能です。
ジョブカンワークフローには、50種類を超える豊富な申請書テンプレートが用意されています。少しカスタマイズするだけであらゆる申請書に対応できるでしょう。また、クリックするだけで簡単に承認経路を作成できます。作成する経路数に上限はありません。さらに入力内容で自動的に経路を振り分けてくれるので、申請時のミスの減少が期待できます。なお、ジョブカンワークフローは30日間の無料試用が可能です。料金は1ユーザーあたり月額330円。初期費用やサポート費用は無料です。
国内シェアナンバー1「X-point Cloud」
「X-point Cloud」は「コラボレーション・モバイル管理ソフトの市場展望 2022年度版」(デロイト トーマツ ミック経済研究所が作成)において、2011年度から2022年度の販売実績で国内シェアNo1に輝いた電子承認システムです。現在使っている申請書の見た目そのままの電子申請書が、ノーコードで作成できます。申請経路も同じくプログラムなどの手法を用いずに作成できるため、システム管理の経験がない人でも簡単に扱えます。また、グループウエアをやクラウドサービスとの連携も手軽にできるので、外部からのワークフロー操作や申請の自動化も難しくありません。料金はスタンダードプランで1ユーザーあたり月額550円。年額払いのプリペイドプランなら5%の割引が受けられます。
Excelを申請フォーム化!「コラボフロー」
多くの会社が業務に用いているExcel。Excelでつくった帳票や申請書にそのまま電子承認ができるなら便利ですよね。「コラボフロー」は普段使っているExcelを簡単に申請フォーム化させて、電子承認に対応させられるシステムです。2023年の時点において、導入実績は1,500社を超えています。コラボフローを使いこなすのに、難しいプログラミングは必要ありません。あらかじめ用意されたパーツを並べるだけで申請経路の作成が可能です。申請書の作成もExcelなので簡単です。直感的な操作で扱えるシステムなので、使うためのトレーニングも難しくありません。
利用料金はスタンダードプランが1ユーザーあたり月額550円(年額6,468円)、プレミアムプランで1ユーザーあたり月額880円(年額10,340円)です。パッケージ版の販売もしています。
公益法人におすすめ!「WEBバランスマン会計システム」
現在、提供されている電子承認システムの多くは一般企業向けのものです。しかし、公益法人で電子承認システムを用いるのであれば、専用のシステムの使用をおすすめします。
「WEBバランスマン会計システム」は、電子承認システムが組み込まれている、公益法人会計に適応したシステムです。公益法人の事務処理では「伺書」の作成が一般化しており、その作成作業に多くの手間が取られてきました。WEBバランスマン会計システムでは、伺書きの段階から文書の電子化が可能です。公益法人における事務作業を簡略化できるでしょう。また、あえて複雑なルーティングを搭載しないことで、扱いやすい電子承認システムとなっています。WEBバランスマン会計システムは、世界150カ国以上で利用されているジオトラスト社のSSL証明書を取得しており、セキュリティの高さでも定評があります。
電子承認には多数のメリット!いろいろなシステムを試してみよう
電子承認システムの導入には、承認期間の短縮・印刷代などの削減・書類の保管スペースの削減など、多数のメリットがあります。ただし、システム導入の際は、今回紹介した3つのポイントについて精査するようにしてください。なお、システムの精査は、カタログでスペックを確かめるよりも、実際に触ってみるのが一番です。なるべく多くの電子承認システムに触ってから、導入すべきシステムを決めるようにしましょう。