電子帳簿保存法の改正以降、電子データで提供された書類はそのまま保管することが必要とされています。しかし、この変更に伴い、どのようにファイル名を付けるべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ファイル名を適切に付けることは、検索機能の要件を満たすために重要です。今回は、電子帳簿保存法に沿ったファイル名の設定方法と、エラーが発生した場合の対処法になどついてご紹介します。
電子帳簿保存法のファイル名とは
電子帳簿保存法のファイル名は、日本の法律である電子帳簿保存法に基づいて、特定の電子データを保存する際に付ける必要がある名前のことを指します。この法律は、企業や個人が取引や経理データを電子形式で保管する場合に適用され、データの整理や管理を円滑におこなうために重要な要素です。デジタル経理プロセスの一環として、信頼性のあるデータ保存と管理を支えるのに不可欠だと言えます。電子帳簿保存法には、帳簿や書類の記録、保存に関する規定がされており、ファイル作成時には遵守する必要があります。
電子帳簿保存法ファイル名の命名規則とエラー対処方法
電子帳簿保存法のファイル名は、データの保管と検索を効率的におこなうために非常に重要です。正確で情報豊富なファイル名を使用することで、法的要件を遵守し、ビジネスの運営をスムーズにすることができます。電子帳簿保存法のファイル名を付ける際には、以下の3つの情報を含むことが求められます。
1.取引年月日
取引年月日とは、資産の譲渡や役務の提供がおこなわれた日のことです。消費税の計算や申告において、取引年月日は重要な要素となります。取引年月日によって、課税期間や税率が異なる場合があります。帳簿に取引年月日を記載することは、電子帳簿保存法の検索機能の確保の要件の一つです。検索機能の確保とは、税務職員がデータを検索する際に、整然とした形式で明瞭な状態で速やかにデータを出力できるように管理することです。
取引年月日を明示する手段には、規則的なファイル命名法を用いる方法や、Excelなどで索引を作成して検索可能にする方法があります。ファイル名において規則的な方法を選択する場合、例えば「20230501_C社100000工事費用請求書」のように、取引年月日を「YYYYMMDD」のフォーマットで表記します。
2.取引金額
取引金額とは、価格に数量を乗じたものを指します。例えば、1本100円のボールペンを10本買うと、取引金額は1000円です。取引金額を合計したものを総取引額といいます。取引金額については、税抜きか税込みかのどちらとするかは明確に決まっていませんが、一貫性を持って記録することが重要です。また、単価契約のように取引金額が定められていない場合には、実際に支払われた金額や請求書等で確認できる金額を記録することが望ましいです。
3.取引先名
取引先名とは、取引をおこなう相手の会社名や個人名のことです。取引先名については、正式名称で記録することが望ましいです。例えば、「株式会社」や「合同会社」などの会社の種類を省略せずに書くことや、「(株)」や「(有)」などの略称を使わないことが推奨されています。また、個人事業主やフリーランスなどの場合は、氏名や屋号を記録することになります。
電子帳簿保存法のファイル名のエラーとその対処法
ファイル名を付ける際にエラーが出る場合があり、可能性としてはいくつか考えられます。まず、ファイル名の文字数制限です。制限を超えるとエラーが発生するため、ファイル名の文字数を減らすか、制限に合致するように変更しましょう。また、ファイルが保存されているディレクトリのパスが長すぎる場合、ファイル名が含まれたパス全体の長さが制限を超え、エラーが発生することがあります。ファイルを別のディレクトリに移動して、パスの長さを短縮しましょう。使用できない文字を入力することでもエラーが発生します。使用できない文字をファイル名から削除または代替文字に置き換えることで対処可能です。
重複したファイル名でもエラーが発生してファイルが保存できません。同じディレクトリ内に同じ名前のファイルが既に存在する場合、新しいファイルを保存しようとするとエラーが出ることがあります。既存のファイル名と重複しないように新しいファイル名を付けましょう。予約語をファイル名に使用すると、エラーが起こることがあります。予約語とは、コンピュータープログラミングやプログラミング言語において特別な意味や機能が割り当てられた単語や識別子のことです。例えば、Windowsでは、「CON、PRN、AUX、NUL、PRN」などが使用できません。予約語をファイル名から削除、または別の名前に変更しましょう。
電子帳簿保存法の管理におすすめなソフト
電子帳簿保存法のファイルを作成する際には、専用の会計システムを利用するのが便利です。会計システムにはさまざまなものがありますが、公益法人には下記ソフトがおすすめです。
WEBバランスマン
公益法人限定のソフト「WEBバランスマン」は、公益情報システム株式会社が提供するクラウド会計システムで、簿記の知識がない方でも利用しやすい設計になっています。このシステムは、執行情報を入力する際に同じ項目を2回入力する必要がありません。執行情報登録では、担当者コードを使用して、事業や所属ごとに予算を管理したり、最新の予算残高を画面で確認したりできます。また、消費税の自動分離や分類管理も容易です。決済情報登録では、支出負担行為に関する決済予定日と決済区分を入力するだけで、支出伝票に自動的に反映されます。支出のタイミングや出金元などを決めた後に情報を入力するだけで、業務の効率化が実現可能です。
高いセキュリティが特徴的で、重要なデータを悪意を持ったハッカーなどから守ることができます。WEBバランスマンは、世界中の企業で導入された実績を持つ安心のブランド「ジオトラスト」社のSSL証明書を取得しています。SSLとは、インターネット上で通信を暗号化する技術です。SSLを利用することで、第三者によるデータの盗聴や改ざんなどを防ぐことができます。WEBバランスマンでは、パスワードやIDカードなどでログイン認証をおこない、不正なアクセスを防ぎます。また、職員ごとに権限設定ができるので、必要な情報だけを閲覧・入力できるようにすることも可能です。
必要に応じて、指定管理業務収支状況報告書をオプションで利用することができます。指定管理業務収支状況報告書は、自治体への報告のために指定管理者としておこなった事業の収支状況をまとめた書類です。通常の業務で入力された複数の科目を、設定に応じて報告書向けに再集計し、財務諸表とは別に生成できます。さらに、報告書のレイアウト変更も依頼できますが、この機能を利用するためには、別途お問い合わせが必要です。
豊富な実績とサポートがあるのも魅力的です。WEBバランスマンは、全国600団体以上の公益法人に導入されており、多くのユーザーから信頼を得ています。WEBバランスマンの導入にあたっては、専門スタッフがユーザーのニーズに応じて、システム設計やデータ移行、操作研修などをおこないます。また、導入後も定期的なフォローアップやアップデートなどをおこなってくれるため安心です。保守サポートでは、お問い合わせに対して、電話やメールで迅速かつ丁寧に対応してくれます。
電子帳簿保存法のファイル名についてまとめ
ファイル名は「取引年月日」「取引金額」「取引先名」の3つの項目を含め、統一した順序で入力することが望ましいです。ファイル名は「日付-取引先名-金額-種別」のような命名規則に従って変更して保存することが推奨されています。ま