電子帳簿保存法の施行規則がわずか3年の間に何度も変わっています。そこで、施行規則の変更ポイントが知りたいところです。
しかし、電子帳簿保存法と施行規則は「そもそも何が違うのかわからない」、「施行規則のポイントだけを知りたい」という方もいるでしょう。
本記事では、施行規則の概要や変更点への対応、ルール確認時の注意点などについて解説します。
電子帳簿保存法の施行規則とは?

電子帳簿保存法には、法令とは別に施行規則があります。この施行規則があることで、電子帳簿データをルール通りに保存するガイドラインとして機能するのです。
施行規則を守ることで、電子帳簿保存法の趣旨に則った保存を行えるようになります。そして、現在(2024年12月)は令和6年1月1日に施行された新しい財務省令の施行規則がルールの基準です。
そもそも施行規則とは何か
「電子帳簿保存法」とその施行規則は、何が違うのかよくわからない方もいるでしょう。まず、電子帳簿保存法は国会を通じて決まった法律です。国民が守る必要のある法律となります。
一方、施行規則は、各省の大臣が法律を実施するために定めるガイドライン的な意味合いが強いルールのことです。もとの法律に反した内容は入れることができませんし、権利や義務を付け足すこともできません。
法律には守るべき順番があり、「憲法」の下に国会や内閣の定める法律、次に政令があり、法律・政令の下に施行規則も位置づけられます。あくまでも、制定された法律を守るために必要な運用ガイドです。
施行規則を確認するには?
施行規則を企業担当者・経営者や個人がチェックするためには、対応する省組織と正確な法律題名を押さえる必要があります。電子帳簿保存法では、税務に関連した法律のため、「財務省の大臣」(旧大蔵省)が府省令として発布したものです。
もとの法律の正式な題名は「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」と長く、一般的には「電子帳簿保存法」と略して呼ばれます。
施行規則についても、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則」と長い題名を「電子帳簿保存法施行規則」と省略しています。ようするに、「施行規則」と最後に入れただけです。
しかし、電子帳簿保存法施行規則をネットの法令サイトで確認する際は、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則」のページを確認する必要があります。
あくまでも「電子帳簿保存法施行規則」は略称で、そういう施行規則が最初からあるわけではありません。施行規則を確認する際は十分に気をつけましょう。
電子帳簿保存法施行規則の条文概要
電子帳簿保存法施行規則では、条文からその内容や改正した箇所を知ることができます。施行規則は全部で第5条まであり、第1条の「定義」から始まって第5条の「他の国税に関する法律の規定の適用」、最後の「附則」で締められています。詳しい内容については次の見出しで詳述します。
電子帳簿保存法の施行規則に対応するためにやること
電子帳簿保存法施行規則は、法律の改正時に変更されることも多いため、最新の版を確認することが必要です。最新版を押さえた上で、施行規則に対応するためのポイントをチェックします。
最新情報をチェックする
注意点として、最新の施行規則の版から条文をチェックすることです。法律の古い情報は、保存ルールの間違いに繋がります。
国税庁のホームページでは、「関係法令・取扱通達等」のページで施行規則の条文を「e-Gov法令検索」から最新版を確認することができるようになっています。検索などで古い条文を出さずに、最新のものをチェックしたいときに利用するのがおすすめです。
用語の意味を理解する
電子帳簿保存法施行規則では、漢字の用語が多く出てきます。具体的には、「電磁的記録」や「保存義務者」、「タイムスタンプ」などです。これらの用語について最初に押さえましょう。例えば、「電磁的記録(=電子データ)」や「読み取りの装置(=スキャナ)」、「電子計算機(=コンピュータ)」、他にもカタカナで理解しやすい用語は、わかりやすいカタカナ言葉で意味を押さえます。それを知った上で、各条文をチェックするのです。
令和6年1月1日施行で変更された部分を確認する
施行規則の中で、大きく変更されている部分は第4条です。保存方法の細かい規定と「災害時」or「やむを得ない事情」で電磁的記録に保存できなかった場合に、それが認められる条件を新たに追加しています。
そこで保存できないことが認められるケースとして、新たにルール化した「整然とした形式」と「明瞭な状態」で提出されていることが条件としています。
「整然とした形式」や「明瞭な状態」具体的に、その会社が書面で作成するときの帳簿と同じ規則で書かれており、文字が見やすいものです。例えば、エクセルで作成した場合は、紙の書面と同じ形式でエクセルにも入力します。
令和4年以前の変更点を押さえる
令和4年1月1日施行(財務省令二十五号)でほぼ全文が変更されています。さらに、そこから同年の4月1日施行(財務省令二十八号)で変更された部分が「タイムスタンプ」の追加です。
電子帳簿保存法で大きな変更点となった「タイムスタンプ」は、施行規則でも押さえるべきポイントです。これまでは「「一般財団法人日本データ通信協会」の認定のみ」だった条文が、総務大臣認定の「時刻認証業務」(タイムスタンプ付与)をする業者や対応ソフトまで範囲拡大されています。
例えば、送付された電子取引に「タイムスタンプ」が押されていないときは、削除・改ざんできないシステムを使用するか、タイムスタンプを押してもらいます。保存義務者は、これができるソフトやシステムを導入することが対応するためにやることです。
他の国税法と関係する部分をチェックしながら保存書類を決める
「電子帳簿保存法施行規則」は、あくまでも電子取引の保存や書類のスキャン保存に関連した「電子保存」の施行規則のみとなっています。したがって、それ以外の部分は、他の法律や施行規則を見ないと税務のルール全体がわからないため注意が必要です。
電子帳簿保存法の条文を踏まえた他の国税法の確認が必要です。
例えば、施行規則第五条内の国税関係帳簿の説明で、次のような箇所です。
「施行規則」の第五条を一部:
「(他の国税に関する法律の規定の適用)
第五条 法第八条第四項に規定する財務省令で定める国税関係帳簿は、同項に規定する修正申告等の基因となる事項に係る所得税法施行規則第五十八条第一項に規定する帳簿、法人税法施行規則第五十四条に規定する帳簿又は消費税法第三十条第七項、第三十八条第二項、第三十八条の二第二項及び第五十八条に規定する帳簿とする。」
出典:e-GOV法令検索「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則」
この「国税関係帳簿」はさまざまな国税法で取り扱いが規定されているため、電子帳簿法と他の国税法(法人税法施行規則、消費税法など)の規定関係が複雑になっています。1つの施行規則を押さえるだけでなく、これらの法律を最低限把握しておく必要があります。
電子帳簿の保存方法としては問題なくても、国税法に抵触する問題のある帳簿は正式な国税関係帳簿として認められないのです。税務担当や経理専門部署のない中小企業や個人事業主はその点も把握しておきましょう。
電子帳簿保存法の施行規則を守る際の注意点

電子帳簿保存法施行規則を守るためには、以下の注意点を確認することが必要です。
注意点1.データ形式を社内で統一する
電子帳簿保存法施行規則には、「整然とした形式」と「明瞭な状態」ではこれが会社全体でできるように注意する必要があります。
まずは、データの形式を紙の書面と同じに決めて、ガイドラインなどを起くことです。別の形式で作成する従業員が出ないように、全体で統一できるようにしましょう。
注意点2.改ざんを防ぐ仕組みを導入する
は、原本の改ざんやデータの削除ができる状態は、電子帳簿保存法やその施行規則に反します。そこで、法律を守るためには、タイムスタンプの付与忘れや改ざんのできないシステムの採用が必要です。
また、権限設定によってアクセス制限を実施する第三者の改ざんも防ぐことができれば、意図しない法令違反もせずに済みます。
注意点3.法律改正時の施行規則変更に対応できるようにする
改正後の規則変更のように、施行規則は条文が変わることがあります。そこで、細かい変化にも対応できる社内体制を構築することも施行規則を守るために必要です。
柔軟な対応ができる帳簿・会計ソフトの導入します。また、社内でルールを指示する監督役・責任者を決めて変更点を社員にすぐ広報できるようにするなどです。
電子帳簿保存法に対応するおすすめソフト
電子帳簿保存法に対応するために導入がおすすめなソフトを紹介します。もともと「電子帳簿保存法施行規則」は、本来の「電子帳簿保存法」を守るために企業側に示すガイドラインの役割を果たします。
そのため、電子帳簿保存法に対応している帳簿・会計ソフトは「電子帳簿保存法施行規則」を守ることにもつながるのです。そこで、おすすめのソフトが公益法人向けの「WEBバランスマン」です。
「WEBバランスマン」の魅力
「WEBバランスマン」は、千葉県に本社を置く「公益情報システム株式会社」が提供する帳簿・会計ソフトとなります。
オプション機能のクラウドシステム「ClimberCloud」は、タイムスタンプに対応したJIIMA認証を受けています。そのため、令和4年1月1日施行(財務省令二十五号)から施行規則が変更になった部分にも対応しているのです。
また、検索機能や出力など、請求書の電子データ保存にも対応できるよう機能が備わっています。さらに、入力機能や予算管理も使いやすいのが魅力です。
電子帳簿保存法の施行規則についてまとめ
以上、「電子帳簿保存法施行規則」の概要や対応するためにすること、注意点について解説した記事です。
施行規則は、企業や個人が「電子帳簿保存法」を運用するためのガイドラインが主な役割です。しかし、施行規則を知るためには正式な名称がある法律という点を押さえ、最新の条文をチェックすることが必要です。
施行規則を把握できた後は、今回紹介したおすすめのソフトを導入して、帳簿や請求書の保存業務を効率化しましょう。