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公益法人の税金の取り扱い方は?普通法人との違いも解説


2023.05.22

公益法人は社会的貢献を目的として設立された組織であり、税金の取り扱いは重要な問題です。公益法人は一般的に非課税の特典を享受していますが、その一方で一部の収入に対しては一定の税金を支払う義務もあります。

税金の取り扱いに関する正確な情報を把握し、適切な処理をおこなうことは、公益法人の透明性を確保するために必要です。

そこで今回は、公益法人の税金の基本的な取り扱いや注意点などを解説します。
公益法人での税金の定義や取り扱いにどうしたらいいか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

公益法人の税金の取り扱い方とは

それでは早速、公益法人の税金の取り扱い方について詳しく解説していきます。

公益法人の税金概要

公益法人は、おこなう事業の公益性に基づき、収益事業から生じた所得のみが課税の対象です。法人税と消費税に関しては、税制上の特例が適用されます。法人税においては、一般の法人と比べて税率が低く設定されています。これは、公益法人が社会的な貢献をおこなうことを目的としており、その活動を支援するための措置として設けられているためです。

普通法人との税金の違い

公益法人は、一定の条件を満たすことで税制上の優遇を受けることができます。具体的には、教育、医療、福祉、環境保護などの公益的な目的を追求している組織が該当します。公益法人は、所得税や法人税の減免や免除を受けることができ、寄付金に対する税制上の優遇措置もあります。一方、普通法人は所得税や法人税の一般的な税制ルールに従う必要があり、特別な減免や免除は受けられません。公益法人は、税金面での特典があり、一般の企業や団体と比べて税金の負担が軽減される可能性があります。

課税と非課税のもの

公益法人は、法人税法上の非営利型法人の要件を満たすものとして、収益事業から発生した所得が課税されないことがあります。消費税の取り扱いについては、非収益事業に属する資産の譲渡等をおこなった場合であっても、それが国内における課税資産の譲渡等である限り、事業者である公益法人等がおこなったものとして課税されることがあります

公益法人の税金の種類と普通法人の税金との違い

それでは普通法人と公益法人ではどう税金が違うのでしょうか。

法人税

公益法人は、通常の法人と同様に法人税を支払う義務があります。ただし、公益法人は一般の法人よりも低い税率が適用されることがあります。

寄附金控除

公益法人は、寄附を受けることができます。寄附をした個人や法人は、その寄附金額の一部を所得税や法人税の控除として申告することができます。

非課税特例

一定の条件を満たす場合、法人税の非課税特例を受けることができます。これには、公益的な活動に資金を使うことや、収益をその目的の達成に再投資することが含まれます。

市町村税の減免

公益法人は、地方自治体が課す市町村税についても一定の減免を受けることができます。法人事業税や固定資産税などが含まれます。

公益法人等は、収益事業から生じた所得についてのみ法人税が課されます。普通法人では、各事業年度の全ての所得(益金から損金を控除した金額)に対して法人税が課されます。公益法人等は、一定の条件を満たす場合には、寄附金控除や固定資産税の減免などの優遇措置があるのが特徴です。個人または法人が公益法人等に対しておこなった寄附金額に応じて、所得税や法人税から一定額を控除できます。また、公益法人等が所有する土地・建物等の固定資産税が減免されることがあります。公益法人は税制上の優遇措置を享受することができる一方、普通法人は一般的な法人税と住民税などが課される、といった違いがあります。

公益法人の税金で注意した方が良いポイント

公益法人の税金で注意した方が良いポイントは下記があります。

1.事業目的に合わない支出をしない

税制上の優遇を受けるには、事業目的に合わない支出を避けることです。公益法人は、公益目的事業を主たる目的としていますので、その目的にそぐわない支出は控えなければなりません。例えば、公益法人が収益事業や共益事業をおこなっている場合でも、それらの事業以外の支出は注意が必要です。公益目的事業以外の支出は公益目的事業費率に含まれません。公益的な支出の管理には慎重さが求められ、適切な帳簿管理や記録の保持が必要です。

2.事業目的に合わない資産を保有しない

公益法人は、公益目的事業を遂行するために設立されているため、事業目的に沿った資産の保有が求められます。したがって、公益法人が事業目的と関係のない資産を所有している場合、税務上の問題が生じる可能性があります。これは公益法人の信頼性を損なうだけでなく、税金の適正な使途に反する行為ともなるため注意が必要です。公益法人は、資金や資産の運用を慎重におこない、公益目的事業に必要な資産を効果的に活用することが求められます。そのためには、定期的な資産の評価や管理体制の整備、適切な報告義務の遵守が重要です。

3.事業目的に合わない収入を得ない

公益法人は、公益目的事業を主たる目的としており、そのための収入を得ることが求められます。しかし、事業目的と無関係な収入を得ることは税務上の問題を引き起こす可能性があります。公益法人は、税金の特例や優遇措置を受けるためには、その目的に合致した収入を追求しなければなりません。自らの事業目的に応じた収入源を開拓し、それによって得られる収入を適切に活用することが重要です。収入の源泉が事業目的に合致しているかを常に確認し、公益法人の税務申告や報告義務を適切に履行しなくてはいけません。

4.関与するビジネス活動に対する税務上の制約

税務上の制約として、公益法人が商業活動によって得た所得は一定の制約が加えられます。一般的に、公益法人が営利活動による所得を得る場合、その所得に対して法人税が課される可能性があります。公益法人が商業活動をおこなう場合、その活動が公益法人の目的と一致していることが重要です。営利活動は公益目的の達成に資する場合に限り許容されますが、営利を主たる目的とする活動は制限されます。税務当局は、公益法人の所得が公益目的に合致するかどうかを監視しているため注意が必要です。

5.税務申告書類等の提出期限を守る

公益法人等は、収益事業や特定の事業をおこなっていない場合、法人税の納税義務はありません。ただし、法人税の確定申告書を提出しない公益法人等は、通常、年間の収入が8,000万円を超える場合を除き、事業年度終了の翌日から4月までの間に損益計算書や収支計算書などの提出が必要です。期限を守ることで、遅延や滞納による罰則や制裁を回避し、税務手続きを円滑に進めることができます。税務に関する専門知識を持つ税理士や会計士と協力し、適切な税務管理をおこないましょう。

6.税務署からの問い合わせ等に対して適切に回答する

税務署からの問い合わせ等に対しては、適切に回答することが重要です。税務署からの問い合わせは、「お尋ね」で自発的な回答を促す「行政指導」や、税務署が調査をおこなう際の「調査」があります。行政指導の場合は、仮に税金の申告漏れなどがあっても、自主的に修正をすれば、加算税というペナルティーを受けることはありません。ただし、調査の場合は、税務署からの問い合わせ等に対して適切に回答しなければ、加算税や重加算税などのペナルティを受けることがあります。正確に回答できるよう税務管理を効率的におこない、必要な情報を整理・保管しておくことが重要です。

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公益法人の税金の取り扱いについてまとめ

公益法人の税金は、目的や収入源によって異なるルールが適用されます。一定の条件を満たせば特例的な税制優遇を受けることができ、寄付や寄贈による収入は非課税の場合もあります。正確な税務申告と規則の遵守には、適切な財務管理が重要な要素です。公益法人が適切な税金の取り扱いをおこなうことで、社会的使命を果たし続けることができます。