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製造業のペーパーレス化方法!事例や便利なソフトも紹介


2024.12.07

製造業においては、紙の書類管理や手作業での入力が多く、業務効率の低下やコスト増大、環境負荷の問題など多くの課題を抱えがちです。

しかし、ペーパーレス化を進めれば、これらの問題を問題を解決できます。本記事では、製造業におけるペーパーレス化の必要性や具体的な事例、効果的な導入方法、そして役立つソフトウェアをご紹介します。

製造業もペーパーレス化をした方がいい?

製造業もペーパーレス化をした方がいい?

製造業においてもペーパーレス化はさまざまな理由から今や必須の取り組みと言えるでしょう。

まずは業務効率の大幅な向上が見込めるからです。当然のことながらペーパーレス化を実現すれば、紙の書類を探す時間やデータの手入力にかかる労力が削減されます。その結果、従業員は本来の業務に集中できるようになるわけです。

次にコスト削減効果がある点です。ペーパレス化は紙や印刷にかかる経費が減少し、保管スペースも不要になります。加えて環境への配慮にもつながる取り組みと言えるでしょう。

さらに、データの正確性と即時性が向上します。手書きによる記入ミスがなくなり、リアルタイムでの情報共有が可能になれば、品質管理や意思決定の迅速化も可能です。

製造業もペーパーレス化事例

ここからは、製造業におけるペーパーレス化の事例として、3つの企業の取り組みを紹介します。これらの事例から、ペーパーレス化が製造現場にもたらす具体的なメリットが見えてくるでしょう。

株式会社モクラス

住宅内装建材を製造する株式会社モクラスは、紙ベースの管理からペーパーレス化に取り組みました。従来の方法では、製品ごとの生産性分析に多大な時間を要し、データの精度も低い点が課題でした。

そこで、同社はシステムを導入し、QRコードを活用した作業時間の自動記録により、入力ミスを削減。データ収集の効率化と精度向上を同時に改善させています。

この取り組みにより、分析時間が大幅に短縮されるだけではなく、より詳細な製品別の生産性把握が可能になり、経営判断の質が向上しました。

カワサキモータース株式会社

大型二輪車の製造を手がけるカワサキモータース株式会社の明石工場では、完成車検査のペーパーレス化に取り組みました。従来の紙ベースのチェックシートでは、増加する製品バリエーションに対応できなくなっていたのです。

そこで、作業標準書システムとの連携を実現しました。その結果、検査項目の作成時間が3分の1に短縮することができ、検査業務の精度も大幅に向上させています。

この事例は、ペーパーレス化が単なる紙の削減だけでなく、業務プロセス全体の最適化につながる点を示したものと言えるでしょう。

株式会社ジェイテクトエレクトロニクス

自動車部品や電子機器の製造を手がけるジェイテクトエレクトロニクスは、製造工程の効率化と環境負荷低減に課題を抱えていました。紙ベースの帳票管理が業務効率を低下させ、大量の紙の使用が環境面での懸念事項となっていたのです。

そこで同社はデジタルツールを導入し、改善に着手しました。具体的には、製造ラインでの点検表や設備点検表などの帳票をデジタル化することで、1ラインあたり月約100枚の紙を削減に成功しています。

さらに、現場管理者1人あたりの労働時間が月約20時間減少しました。また、帳票管理や検索の工数が半分以下に減少し、業務効率が大幅に向上しています。

参考:KAMINASHIレポート「ジェイテクトエレクトロニクス様の事例を公開しました」
参考:KAMINASHIレポート「自動車部品などの製造工程にカミナシを導入し、従業員の業務負担を軽減」

製造業のペーパーレス化方法!

製造業のペーパーレス化方法!

製造業のペーパーレス化は、段階的かつ計画的に進めることがポイントです。以下に、効果的なペーパーレス化の方法を紹介します。これらのステップを踏むことで、スムーズな移行が可能になるでしょう。

現状を分析し目標を設定する

まずは自社の紙の使用状況を詳細に分析します。どの部署で、どのような目的で紙が使われているのか、その量はどれくらいか、これらを把握することから始めましょう。

次に具体的な目標を設定します。たとえば「1年後に紙の使用量を30%削減する」といった明確な数値目標を立てます。ただし、目標は現実的かつ挑戦的なものが望ましいでしょう。

デジタルツールを選定し導入する

目標を設定した後は、ペーパーレス化に適したデジタルツールを選びます。製造業では、生産管理システムや品質管理システムなどが主流です。選定の際は、以下の点に注意しましょう。

  • 現場の作業フローに適合しているか
  • 操作が直感的で学習コストが低いか
  • 他のシステムとの連携が可能か
  • セキュリティ対策は十分か

ツールを選定した後は、小規模な部署や工程から試験的に導入しつつ問題点を洗い出し、本格導入に向けて調整してください。

従業員教育とサポート体制を構築する

ペーパーレス化を進めるうえで、従業員の理解と協力が不可欠です。そのため、新しいシステムの操作方法だけでなく、ペーパーレス化の意義や目的についても丁寧に説明してください。

また、導入初期は特に手厚いサポート体制が必要となるため、質問や困りごとにすぐに対応できる窓口を設置し、スムーズな移行を目指しましょう。

業務プロセスの見直しを図る

ペーパーレス化は単に紙をデジタルに置き換えるだけではありません。ペーパーレス化への取り組みを良い機会として、業務プロセス全体を見直し、最適化を目指しましょう。

たとえば、承認プロセスの簡素化や重複する作業の統合などを検討してみてください。デジタル化のメリットを最大限に活かすため、柔軟な発想で業務改革に取り組みましょう。

段階的な展開と継続的な改善を行う

全社一斉のペーパーレス化は混乱を招く恐れがあるため、先述のとおり徐々に範囲を広げていく方法が効果的です。
まずは紙の使用量が多い部署やデジタル化の効果が見込める工程から始めてみてください。そこでの成功体験を他部署に共有し、全社的な取り組みへと発展させていくイメージです。

また、定期的に効果を測定し、必要に応じて方針や手法を見直す必要もあります。なぜなら、ペーパーレス化は一度で完了する取り組みではなく、継続的な改善が必要だからです。
段階的に取り組んでいき、全社にペーパーレスを浸透させていきましょう。

製造業のペーパーレス化に役立つソフト

製造業のペーパーレス化に役立つソフトは多岐にわたります。そのなかからおすすめしたい3つのソフトをご紹介します。

WEBバランスマン

公益情報システムが提供する「WEBバランスマン」は、会計業務のペーパーレス化を実現できるシステムです。本格的な予算管理機能を備え、伺書からの入力が標準装備されています。そのため、支出伝票への引き継ぎがスムーズに行えます。

また、16年/20年会計基準両方の決算書出力が可能な変換マスタ機能や会計や事業で按分が必要な伝票も一度の入力で処理できる按分マスタ機能を搭載しています。ソフトはクラウド版とオンプレミス版が用意されており、企業のインフラ環境に合わせて選択できるのも特徴です。

TOKIUM経費精算

経費管理のペーパーレス化に役立つのが「TOKIUM経費精算」です。このシステムは、経費精算プロセスを完全にデジタル化し、紙の領収書や申請書を不要にします。

具体的な機能として、OCR技術を活用して領収書の読み取りを自動化し、承認ワークフローもシステム内で完結します。
モバイルアプリを使えば、外出先でも経費申請が可能で、リアルタイムでの経費状況の把握も可能です。

DocuWorks

文書管理のペーパーレス化には「DocuWorks」が効果的です。このソフトウェアは、紙文書をスキャンしてデジタル化するだけでなく、電子文書の作成・編集・保管までをカバーします。

複数の文書を1つのファイルにまとめる機能やセキュリティ設定も充実しており、製造業の様々な文書管理ニーズに対応できます。さらに、電子印鑑機能や文書の検索機能も備えており、業務効率の向上も可能です。

製造業のペーパーレス化についてまとめ

製造業のペーパーレス化は、業務効率の向上やコスト削減、環境負荷の低減など、多くのメリットをもたらします。成功事例からわかるように、段階的かつ計画的なアプローチがポイントです。本記事を参考に、自社に最適なペーパーレス化の方法を見つけ、具体的な行動に移してみましょう。