経費精算は、紙の領収書や請求書の管理や手入力、ミスのチェックなどで大変な作業です。また、インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応できるように作業する必要もあるでしょう。そこで便利なのが、領収書の読み取りや仕訳の自動化などの機能を持った会計ソフトです。
今回は、会計ソフトの一つである「楽楽精算」について、機能の概要や電子帳簿保存法への対応をしているのかどうかも含めて紹介します。
楽楽精算とはどんなソフト?
「楽楽精算」とは、経費精算に関するすべての業務をクラウド型のシステムで効率化できるサービスです。例えば、交通費、出張費、旅費、交際費などの申請や承認などの経理処理をシステム上でおこなうことで、ミスやコストを削減できます。他にも、楽楽精算には以下のような機能があります。
交通系ICカードの取り込み機能
各種交通系ICカードを対応しているスマートフォンにかざすだけで、利用した経路や運賃などの記録データを取り込んで、「申請データ」として使用できるようになる機能です。これにより、領収書や切符の管理や入力の手間が大幅に省けるでしょう。交通費の精算を簡単におこなえるだけでなく、紙の領収書や切符を減らせるため環境にも優しいです。
クレジットカードとの連携サービス
法人向けクレジットカードやプリペイドカードの利用明細を、自動で経費精算システムに連携できるサービスです。これによってクレジットカードの明細を見ながら手入力をおこなう必要がなくなり、作業時間やミスを減らせるでしょう。
また、利用履歴がそのまま経費精算データとして反映されるため、利用日や金額、支払先などの相違が防げます。利用状況や未払金をリアルタイムで確認できるため、現金管理や予算管理がしやすくなるのが特徴です。
自動仕訳・会計ソフトとの連携
経費精算システムから会計ソフトにデータを自動で送信し、仕訳を作成する機能です。経費精算データを手動で入力する作業の必要がなくなり、経理業務の効率化やミスの防止に貢献できるでしょう。
インボイス制度対応
楽楽精算は、2023年10月から導入された「インボイス制度」に対応しています。インボイス(請求書)の発行や管理を簡単にする機能が備わっているのが特徴です。例えば、領収書や請求書をスマートフォンで撮影すると、「適格請求書発行事業者登録番号」を自動で読み取って、経費精算データに反映します。
また、法人取引先名から、適格請求書発行事業者登録番号を自動入力、自動判定することなども可能です。これにより、インボイス制度に関するさまざまな作業を効率化できるでしょう。
楽楽精算は電子帳簿保存法に対応してる?
楽楽精算は、電子帳簿保存法に対応しています。この電子帳簿保存法とは、領収書や請求書などの「証憑書類」を、PCやクラウドなどに電子データとして保存しておくことができるように定められた法律です。楽楽精算は、「スキャナ保存要件」や「電子取引の保存要件」に対応した経費精算システムとなっており、ペーパーレス化や業務効率化に役立つでしょう。
さらに、企業に合わせて機能をカスタマイズできる設定の自由度の高さや、経理業務を熟知した専任のサポートスタッフが導入から運用までサポートするなど、充実したサービスが特徴です。他に電子帳簿保存法に対応するために便利な機能としては、以下のようなものがあります。
領収の読み取り機能
スマホやスキャナで領収書を撮影することによって、取引の金額や取引先などの情報を自動で読み取り、データ化する機能です。楽楽精算では、OCR(光学文字認識)技術を用いて、高精度に領収書の情報を抽出します。また、AI(人工知能)技術を用いて、領収書の種類や分類を自動で判別し、経費の申請や承認の流れをスムーズにします。
タイムスタンプ付与機能
読み取り機能でスキャンしておいた領収書や請求書などのデータをアップロードする際に、自動的にタイムスタンプを付与する機能です。この「タイムスタンプ」とは、データの作成日時や更新日時を証明する電子的な印鑑のようなものです。
楽楽精算では、アマノビジネスソリューションズ株式会社のタイムスタンプサービス「アマノタイムスタンプサービス3161」を利用しています。この機能により、電子化して保存したデータの改ざんを防止し、スキャナ保存要件の一つ「真実性の確保」の要素を満たすことができるでしょう。
検索機能
楽楽精算でアップロードしておいた領収書や請求書の電子データの中から、例えば日付や金額、取引先名などの情報によって必要な証憑をすぐに検索できる機能です。楽楽精算では、フリーワード検索や絞り込み検索などの機能を提供しており、簡単に目的のデータを見つけることができるでしょう。この機能により、過去の書類を確認する際の手間を省き、スキャナ保存要件の一つ「可視性の確保」への対応をすることができます。
楽楽精算に似た電子帳簿保存法に対応している会計ソフト
電子帳簿保存法へ対応している会計ソフトは、楽楽精算だけではありません。他にも、さまざまな特徴や機能を持つ会計ソフトが存在します。電子帳簿保存法に対応している会計ソフトには、例えば、以下のようなものが挙げられます。
WEBバランスマン
「WEBバランスマン」は、公益法人向けのクラウド型経理システムです。複雑な経理業務を合理化・効率化するための機能が豊富に備わっています。例えば、伺書からの入力が標準装備されており、作業の簡易化が図れるのが特徴です。会計や事業で按分が必要な伝票も、一度の入力で処理できるでしょう。
さらに、前述の電子帳簿保存法に準拠しており、電子帳簿等の保存や電子取引に関する手続きや方法などのサポートも受けられます。公益法人の会計や事業区分、科目に合わせたシステムを提供しているため、とくに、公益法人におすすめのソフトです。
TOKIUM経費精算
「TOKIUM経費精算」は、電子帳簿保存法へ対応している完全ペーパーレスの経費精算システムです。例えば、スマホで領収書を撮影するだけで、データ化や保存が簡単にできるでしょう。申請や承認もスマホやパソコンでおこなえます。領収書のデータ化は、専任のオペレーターとAI-OCRの融合により、高い精度でおこなわれることが特徴です。
さらに、仕訳データは多様な会計システムと連携でき、全銀データの出力も可能です。サポート窓口は経理だけでなく全社員が利用でき、不明点があればチャットやメールなどで気軽に問い合わせをすることができます。他にも「ISMS認証」や「Pマーク」を取得しており、セキュリティ面でも高い水準を保っているため安心して利用できるでしょう。
電子帳簿保存法に対応するためには
電子帳簿保存法へきちんと対応するためには、前の章で挙げたような電子帳簿保存法へ対応していることが明言されている会計ソフトを使うことがおすすめです。そのようなソフトは電子帳簿保存法の要件を満たせるような機能を備えており、例えばタイムスタンプ機能や検索機能などが含まれています。
これらの機能を使うことで、電子データの真実性や可視性を確保できるでしょう。また、ペーパーレス化による働き方改革に貢献できるのも特徴です。紙ではなく電子データで保存することによって、いつでもどこでも書類にアクセスでき、業務効率や生産性が向上することが期待できます。
さらに、電子帳簿保存法に対応している会計ソフトを使うことで、法的な基準をクリアできるようになります。前述したように、電子帳簿保存法は、「国税関係書類」や帳簿などの電子保存を認める法律ですが、電子データとして保存をおこなう際は一定の要件を満たす必要があります。
電子帳簿保存法で定められている要件に対応できる会計ソフトは、その要件を満たせるような機能を備えており、法律違反のリスクを低減できるでしょう。万が一違反してしまうと、税金や罰金の負担があるだけでなく会社の信用や信頼も失う場合もあるため、法令遵守は不可欠です。
これらのことから、会計ソフトを選ぶ際は「電子帳簿保存法に対応しているか」や「要件を満たすための機能が充実しているか」といった要素を確認すると良いでしょう。また、ソフトを導入する前に電子データとして保存する業務フローや、それに関連する問題点をすべて洗い出しておくことで、電子帳簿保存法への対応をスムーズにおこなうことができます。
楽楽精算は電子帳簿保存法に対応してるのかについてまとめ
楽楽精算は、クラウド上で経費精算のすべての処理を電子化できるシステムであり、経理業務の効率化やデジタル化をサポートします。
例えば領収書の自動読み取りや仕訳の自動生成など、多彩な機能が特徴的です。さらに、電子帳簿保存法にも準拠しており、紙の保管や印刷の手間から解放されるでしょう。経費精算の手間やミスを減らしたい方は、楽楽精算の利用を検討してみてはいかがでしょうか。