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電子帳簿保存法の義務化とは?対象企業と対象書類


2023.09.07

電子帳簿保存法が改正されたことにより、事業者が電子取引をした場合に使用した取引情報を、全て電子データとして保存することが義務づけられました。この改正法の対象となっているのは、特定の条件を満たしている事業者です。対象となる書類の種類も、法令によって詳しく決められています。この記事では、義務化の対象となる企業がしておくべき準備について、詳しく解説します。

電子帳簿保存法の義務化とは

まず最初に、電子帳簿保存法がなぜ義務化されているのかや目的を解説していきます。

電子帳簿保存法が改正された目的

電子帳簿保存法は1998年に成立された法律です。同年の夏から施行されました。この法律が作られた当初の目的は、今後増加すると予想される電子取引に対応できるようにするためです。法律が施行された後も、電子帳簿保存法は何度か改正されています。この法律が頻繁に改正されているのは、国内でおこなわれる電子取引の数が増加するにつれて、新しいルールが必要になったからです。一番新しい電子帳簿保存法の改正法は、2022年1月1日から施行されています。

2022年の電子帳簿保存法改正の目的は、日本国内でも進展しているビジネスの電子化に対応するためです。この法律が誕生してからすでに20年以上経過していますが、その間に多くの企業がビジネスの電子化を進めています。帳簿やその他の書類を電子データとして保存している企業も増加していて、さらなるビジネスの電子化が予想されています。こうした状況を踏まえて、電子化に対応できる環境を整えるために、2022年の改正がおこなわれました。

2022年に改正された電子帳簿保存法の中でも、事業者に大きな影響を与えているのは、一部の電子保存の義務化です。全ての電子保存が義務化されたわけではなく、義務化の対象となっているのは、電子取引のために使用した取引情報の電子保存だけです。法律が改正されるまでは、電子取引の取引情報を紙に印刷して保存することも認められていましたが、2022年の改正により、電子取引の取引情報は、電子データでしか保存できなくなりました。

電子帳簿保存法の義務化の影響

電子帳簿保存法の義務化の影響を強く受けているのは、これまで電子取引の取引情報を、紙に印刷して保存していた事業者です。こうした事業者も、これからは電子取引の取引情報を、電子データとしてコンピューターなどに保存することが必要です。

義務化の影響が大きいことを考慮して、この改正法には猶予期間が作られています。本来は改正法が施行された2022年の1月から、電子取引の取引情報はすべて電子データとして保存しなければいけないのですが、改正法に対応することが困難である事業者のために、猶予期限が終了するまでは、紙に印刷して保存することも認められました。この猶予期限が終了するのは2023年の12月31日なので、猶予を受けている事業者はそれまでに、電子取引の取引情報を電子データとして保存するための環境を整備することが必要です。

電子帳簿保存法義務化の対象となる書類・企業

それでは電子帳簿保存法が義務化となってしまう書類や企業の規定はどんなものなのか見ていきましょう。

義務化の対象となる企業

電子帳簿保存法の義務化の対象となっているのは、法人税を納税する義務がある法人です。一般の企業の他に、公益法人も納税義務があれば義務化の対象です。個人事業者も所得税を納税する義務があるため、この法律の対象です。

一般企業や個人事業者が現在でも、電子取引の取引情報を紙に印刷して保存している場合には、できるだけ早く電子データとして保存できるようにするための環境を整えることが必要です。電子データの保存方法に詳しい人がいない企業であっても、会計システムなどを導入すれば、電子データを簡単に保存することができます。

電子帳簿保存法の対象となる帳簿・書類

電子帳簿保存法の対象となっている帳簿や書類は、大きく分けて3つの種類があります。その中の一つは、電子帳簿に関する書類です。電子帳簿とは、コンピューター用の会計ソフトなどを使用して制作した、電子データの帳簿や書類のことです。納税に関係する帳簿や書類が法令の対象になっていて、仕訳帳や売掛帳も電子データとして保存できます。貸借対照表や損益計算書などの決算に使用する書類も、電子データとして保存できます。取引に使用した注文書や領収書も、電子データとして保存できる書類です。

スキャナを使用して作成した電子データも、電子帳簿保存法の対象です。スキャナを使用して保存できるのは、取引をした相手から受け取った、紙の領収書などの書類です。この種類の書類は、電子データとして保存する方法の他に、紙のまま保存することもできます。

電子取引で使用した取引情報も、電子帳簿保存法の対象となっている書類です。メールなどを使い電子データとしてやり取りをした契約書や注文書が、こうした取引情報に該当します。この種類の取引情報は電子データでしか保存できないようになったので、多くの事業者が新しい法律に対応できるようにするため、必要な環境を整えています。

電子帳簿保存法の義務化に向けた準備

それでは、電子帳簿保存法の義務化に対応するためには具体的に何をしたらいいのかを解説していきます。

会計システムの導入

電子取引の取引情報を、現在も紙に印刷して保存している事業者は、2023年の12月31日までに、電子データとして保存できる環境を整えることが義務づけられています。個人事業者や一般企業だけでなく、この法律の対象となっている公益法人も、何らかの方法で義務化に対応することが必要です。電子データの保存に対応できていない公益法人におすすめできるのは、専用の会計システムです。会計システムを導入すれば、電子データや会計の知識に詳しい職員が法人にいなくても、電子データの保存を適切におこなうことが可能です。

会計システムの導入を検討している公益法人におすすめできるのは、公益情報システム株式会社が開発した、WEBバランスマンという会計システムです。このシステムを公益法人におすすめできるのは、公益法人が利用しやすいさまざまな機能が搭載されているからです。このソフトに搭載されている機能の中でも、特に便利な機能は、公益法人の会計基準が改正された場合に対応できることです。平成20年の会計基準で決算用の種類が制作できるだけでなく。平成16年の会計基準で書類を作ることもできます。両方の基準で決算用の書類を作らなければいけない公益法人にも使いやすい会計システムです。

内部体制の整備

公益法人が電子帳簿保存法の義務化に対応するためには、法人内の内部体制を整備することも重要です。必要となる内部体制を整えることにより、会計システムも導入しやすくなります。公益法人が内部体制を整備するためにしなければいけないことは、会計システムを使用できる人員の確保です。公益法人で働いている職員を、新たに会計システムの担当者に任命することもできます。会計システムを担当できる職員がいない場合には、新たな職員を採用することもできます。

会計システムを使用するためのコンピューターの導入も、公益法人が電子帳簿の義務化のためにしなければいけないことです。公益法人ですでにコンピューターを所有している場合でも、より性能の高いを導入した方が会計システムを使いやすくなります。新しいコンピューターを購入する際には、CPUやメモリなどの性能も、会計処理をスピーディーにおこなうために重要な要素です。ハードディスクの記憶容量が多いコンピューターならば、多くの取引情報を電子データとして保存できます。

会計システムを導入すれば対応できる電子帳簿保存法の義務化

電子帳簿保存法が改正されたことにより、2022年の1月1日から、電子取引の取引情報を電子データとして保存されることが義務化されました。この改正には猶予期間があり、まだ取引情報を電子データとして保存していない事業者は、2023年の12月31日までに対応が必要です。専用の会計ソフトを導入すれば、公益法人でも義務化に対応できます。